箱根二日目

さて、二日目。帰る日でもある。
露天風呂に入って朝食バイキングで思う存分食べ、
大涌谷とガラスの森美術館へ行った。
大涌谷はホテルからロープウェイで10分なので、
お土産を買いに行ったのだ。それだけ。
私は金太郎柄のロープウェイに乗った。

こういうの10台に1台程度しかないんだぞ。
だから乗れるとなんだか嬉しい。乗っていると見えないが。
ガラスの森では買い物も目的だったのだが、
なんだか気持ちが乗らなくて買わなかった。
カフェテラッツァでカンツォーネを聞きながらコーヒーでも飲むかと思ったけど、やめた。
予定ではこの後箱根ベゴニア園に行くつもりだったのだが
もう家路につく事にしたわ。
最後にランチをとって帰るか、と思い、
数回入った事のある「画廊喫茶ユトリロ」に行った。
きのこソースのハンバーグとブレンドを注文。
で、結論から申しますと、ユトリロには二度と行かない。
とにかく遅い！繁忙期で臨時店員を使っているのだろうか、とにかく気が利かない上に食事が出てくるまでがいちいち遅い。
ユトリロに1時間いるんだったら、箱根ベゴニア園に行っておけばよかったよ。
しかも隣の席の若い女連れのオヤジが、カレーもコーヒーもズルズルすすって飲み食いするもんで余計嫌になっちゃったよ。
女性は日本語喋っていたけど、ちょっと東南アジア系っぽいんだよなあ。金目当ての女性だったりして。
まあいいや、知らん。
途中でしびれを切らして、もういらないから帰る、と何度言おうかと思ったがちゃんと食後のコーヒーが出て来るまで待った。水にハチだかなんかの虫が落ちて泳いでいても、水を替えてもらう事もせずひたすら待ったよ。
とにかくだ、食事したい場合は時間の余裕のある人だけ行った方がいいよ、ユトリロには。

小田原から快速アクティーに乗ったつもりが、
一本前の普通に乗っていた。
待ち合わせ駅で気づき、荷物を持ち慌てて降りる。
が、ホームを数歩歩いて、座席にわちふぃーるどの文庫カバーをつけた横溝正史の文庫本を忘れてきた事に気づいた！
が、Ｕターンするのが面倒くさく、そして快速で30分早く帰りたかったから本は捨ててそのまま快速に乗り込んだ。
電車に乗ってから、わちの文庫カバー＆文庫本を捨てる程私の30分って価値があるのかしらん、と少々悔やむ。
文庫本も惜しいが、あのわちの文庫カバーはもう廃盤だから売っていないのに！まあいっか、私は30分をとったのだ。

そうして帰ってきました。
で、船橋駅前で、山本耕史似の青年が
シャンプー＆ブローモデルになってくれと言ってきた。
最初風俗かなにかかと思ったよ。
たくさんの人が歩く中で私に目をつけたとは、
やはり私の髪型のせいなのだわ。
いまどきワンレン。昔の楠田枝里子みたい。
何か喋ってんなあって風で聞き流して歩いていたんだが
これが案外粘ってくっついて来るんだ。
なんでもシャンプー＆ブローをチェックしてもらってＯＫが出たら、今度から店に出られるんだと。
だから、やってあげる事にしたわ。
「ヘアスタイルの決まっている人にモデルを云々…」というヘンなお世辞は余計だと思ったが。ちょっと気分を害したぞ。
シャンプー＆ブロー中話し掛けてくるのが鬱陶しかったが
客との会話も彼の練習の1つだろうから付き合った。
何度も話がかみ合っていなかったが。
大変だなあ、美容師も。
昨日のホテルマンといい、こういう人と関わる旅だったな。
で、大涌谷の硫黄臭い風に吹かれた私の髪が、
綺麗なサラサラヘアになりました。
あわよくば指名客にという魂胆なんだろうな。
その手には乗らないぞ。
でも、ホストクラブにはまったり、お気に入りの男性美容師のところに通っちゃう人の気持ちがちょっとわかったよ。おばさんの証明か。
まあ、本を捨てて快速に乗ったおかげで、
この美容師のオニイチャンと関われたのだろうな。
未来ある青年よ、頑張れ。と思った。